2020年12月5日-6日「12月倉」のイベントにて「our umbrellas」写真展を開催しました。
場所は鯨ヶ丘、板谷坂沿い(※)の眺めのよい場所「banya base」にて。banya baseはしばらく使われていなかったおじいちゃん家を活用しようと動き出した場所です。
12月倉に合わせて初めてのお披露目。今回は里美が舞台となったクリスト氏のアンブレラプロジェクトの写真を集めた展示。展示する写真は地元の人たちが撮影した記念写真です。貴重な当時の映像や記念品なども借りることができました。ご協力いただいた方に感謝です。
住んでいた人の面影も残しつつ。街も一望できる眺めのよいbanya base.
アンブレラのある風景、ここに住んでいた人の風景、二つの風景があります。
アンブレラのある風景はまるで現実ではないような不思議な光景。展示をしてみて、写真でみることは出来てもそのときその場にいた人たちの経験には近づけないのだな、ということを実感したのでした。
コーヒースタンドに立つのはおじいちゃん家をなんとかしたい、と動き始めたbanya baseの管理人阿部さん。
里美の人たちの記憶の風景。
写真展のきっかけとなった阿部さんのおじいちゃんの記念写真。
「ばんや」と書かれた鏡は玄関入ってすぐの所に。近くには板谷稲荷神社もあって、その付近は有名な見晴台だったそうです。住んでいた人も、この付近の人たちにも愛されてきた場所なんだなと感じました。
最初は「みんなが撮ったアンブレラの写真をみてみたい」という、それだけの軽い気持ちでした。実際に動いてみたら、クリスト氏が作品を通して里美の人たちに与えた影響の大きさ、人々の心の中に二度とみることの出来ない記憶の風景の存在-そのときみた風景を大事に思っていること、いろんな人の思いというものを感じたのでした。
「それやりましょう!」という阿部さんの一言から始まり、その一言がなければやることのなかったかも知れない展示。
展示を通してその土地に潜む目に見えない思いを知ることが出来たのはいい経験でした。展示をさせてもらえたこと、一緒につくり上げてくれたこと、阿部さんには感謝です。
そして鯨ヶ丘商店街のみなさん、主催のサニーサンデーさん、足を運んでくださったみなさま、ありがとうございました。
(※)板谷坂は常陸太田市の鯨ヶ丘(昔は中心地だった)にある上から街を一望できる眺めのよい坂。